海外留学経験を帰国後の就職に活かしたいと考えている人であれば、留学前に必ず知っておくべきことがあります。
留学前に知っておくべき内容とは何だと思いますか?
それは下記の二つです。
●「留学で身に付く力」について知ること。
●「企業が留学経験者に対してどんな要素を求めているか」を知ること。
帰国後に留学経験を生かして就職したい人であれば、留学前にこの2つのポイントを把握しておくことで、留学中にこれらの能力・要素を身につけるためのプランニングができるようになります。
もちろん、知らなかったからといって留学中に困ることはないでしょうが、限られた留学期間で効率よく就職に有利な力を身につけるには、これらの事実を把握した上で、その力が身につくよう自分自身に仕向けることが大切です。
それでは上記の内容を詳しく解説します。
留学中に身に付く力とは?
まずは、「留学中に身に付く力」についてです。
下記はある委員会の調査報告書のデータになります。
平成25年に海外経験者(1,583名)にとったアンケート結果です。
回答者の7割以上が「習得できた」と自覚している能力・資質は下記の通りです。
「海外で身に付く力」と 「企業が留学生に期待する力」
出典:「海外就業体験が若年者の職業能力開発・キャリア形成に及ぼす影響に関する調査研究」(平成25年度厚生労働省委託 JAOS海外留学協議会調べ)
1位 国際感覚・異文化適応能力
2位 幅広い視野
3位 コミュニケーション能力
4位 主体性・積極性
5位 外国語能力
6位 忍耐力・我慢強さ
いかがでしょうか?
留学帰国者に聞くと大半の方が語学力と答えそうですが、アンケート結果では、意外にも語学力は5番目です。
国際感覚・異文化適応能力、幅広い視野、コミュニケーション能力、主体性・積極性が上位に来ている事は注目すべき点です。
海外留学では、単に語学力以上に、ヒューマンスキル(人間力)が圧倒的に身に付くという事実を把握しておいた方が良いでしょう。
企業が留学生に求めている人物像
次に、企業がどんな人物を求めているのか、を知ることは就職活動において重要なことです。
企業に行ったアンケートに基づいて、実際に企業が留学経験者に対してどんな能力を求めているのか?
これは中小企業約1,000社に、海外体験のある若者に企業が期待する能力・資質に関してアンケートをとった結果です。
出典:「海外体験を有する若者の採用・活用に関する調査報告書」(平成25年度厚生労働省委託 JAOS海外留学協議会調べ)
上記の結果を見るかぎりでは、語学力は第3位です。外国語力以上に、主体性・積極性やコミュニケーション力が求められています。
留学目的を英語力の向上にだけ置いている留学生が非常に多いと思いますが、留学を通して主体性・積極性やコミュニケーション能力を磨いてきた人の方が企業にとっては魅力的に見えるということです。
もちろん、企業によって求める力は異なりますので、すべての企業が共通しているわけではないと思います。
あくまで一般的な傾向として理解してください。
企業にアピールするポイントとは?
「海外体験者に対して求める能力」と「海外生活で身につく能力」に共通項が見えてきましたか?
これこそが、海外留学生が就活で企業に対してアピールするポイントになります。共通した能力は、下記の4つです。
・「コミュニケーション能力」
・「主体性・積極性」
・「外国語能力」
・「忍耐力・我慢強さ」
これらを見ると、どれも仕事に直結する能力と言えますね。
これらの4つの力は「言葉、文化、生活習慣の異なる海外で、リスクを取って、自らの意思で海外留学に挑戦してきた者こそ身に付くであろう」と企業は期待しているのです。
繰り返しますが、大切なことは、留学する前から、海外ではこのような能力が身に付くということをしっかり認識することです。
そして、これらの力をより効率よく、より確実に身に付けて帰国するために、留学中に何をすればいいのかを事前にプランニングして実践することが重要なのです。